ごぼう茶の加工の話(2)ごぼう洗浄の水源選定と挑戦
井戸水を使用予定だったごぼう洗浄
ごぼう茶には、洗浄の工程があります。
このごぼうの洗浄に使う水には、大いに悩まされました。
工場建設時は、井戸をついて井戸水で洗浄しようと考えていました。
井戸水とは鉄のパイプを地面にカンカン打ちつけて大体7から8mぐらいで水が出てくるものです。この井戸水に対して、地下水と呼ばれるものもあります。地下水は10mから50m、深いものは200m以上ボーリングして岩盤を突き破って出た水のことです。
最初に、井戸屋さんにパイプを打ってもらいましたが、7mほど深く掘ったところで硬い岩盤にぶつかり、パイプは跳ね返されて水は一滴も出ませんでした。そこでボーリング屋さんに依頼し、パイプにノミをつけて岩盤を掘削し、より深い場所にある地下水を目指すことにしました。
しばらく掘り進めるとついに水が出るようになり、地下水を手に入れた!と喜びました。しかし、洗浄に必要な水の量を考えると、まだまだ不足していました。ごぼう洗浄では水をジャンジャン使うので、量が足りないのです。
タンク設置と水質検査
そこで次に考えたのが、「一旦タンクに水を貯めてから使用する」という案です。
我ながらいい考えだと思い、大きなタンクを工事屋さんを雇って設置しました。ここまでの失敗で結構資金がかかっているので、祈る気持ちで設置したタンクに期待をかけ試験してみると、まあまあの出来。何とか使えるかな、といった感じでした。
最後に水質の試験をしました。やはり大腸菌などが出るとよくありません。でも深い地中に眠っている地下水だから大丈夫だろうと踏んでいたのですが・・・残念ながら、そこそこの細菌様がいらっしゃいました。
そこで、すべては終わりましたよ、まさか細菌が多い水で食品を洗い、商品にしてお客さんにお届けするわけにもいきません。今までの投資が水の泡に帰してしまいました。泣
結局、水道水を使う事になりました。最初から水道水を使えば何の苦労と無駄な出費はなかったのに・・・と反省しました。
今では水道水を元気にたくさん使ってごぼうをじゃぶじゃぶ洗っています。水源地が工場のすぐ上にあるので、水質や勢いがよく安心して洗浄しています。