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どくだみ茶の効果・効能は?副作用やメリットなど、どくだみ茶の魅力を徹底解説!
「どくだみ茶=くさい健康茶」というイメージをお持ちの方も多いでしょうが、どくだみは実は、蕺草(じゅうさい)とよばれる生薬であり、乾燥茶葉は生葉のような強烈な臭いも放ちません。
どくだみ茶って一体何に効くの?とぼんやり疑問を抱いている方に、どくだみ茶の効果・効能からデメリットまで一気にご紹介します。
どくだみ茶とは?
どくだみ茶のもととなる植物、どくだみは、湿気の多い場所を好む多年生草木です。初夏から夏にかけて、地下茎を伸長・分岐させて地表に花と葉を増やす、繁殖力がとても強い雑草(別名でシブト草とも呼ばれるそう)です。
見た目には、白いがく部(花に見えますが花びらではありません)に楕円形の緑色をした基部を持ち、濃緑色の葉とのコントラストが美しいのですが、他に例えようもないような独特の臭いを放ちます。
生育が進む5~6月の花期に地上部(がく、葉)を煎じて茶葉にしたものを、一般にどくだみ茶と呼んでいます。
漢方薬としても知られ、日本では古く江戸時代より『大和本草』(貝原益軒著:儒学者・本草学者)の中で、殺菌・抗菌効果があると綴られているどくだみ。葉をもんで患部に塗るなど、民間療法でも利用されてきた効能を飲用して取り入れたいという方が多く、根強い人気のあるお茶です。
どくだみ茶の効能・効果
”薬用部分は、花期の地上部で、生薬名を十薬(ジュウヤク)といい、利尿薬等の目的で使用される。ドクダミは、民間療法に古くから用いられ、ゲンノショウコ、センブリとともに日本の三大民間薬として知られている。” (※1)
十薬という生薬名は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見から定めた医薬品規格基準書である『日本薬局方』にも記載されています。(※2)
効果があると認められているどくだみですが、広い意味で「解毒」を目的に利用されることが多いようです。
※1:一般社団法人奈良県薬剤師会. “ドクダミ02 一般社団法人奈良県薬剤師会.” 奈良県薬剤師会, http://www.narayaku.or.jp/plant/plant104.html. Accessed 17 May 2023.
※2参考:厚生労働省 第十八改正日本薬局方名称データベース 検索結果|キーワード ジュウヤク
https://jpdb.nihs.go.jp/jp/DetailList_ja.aspx?submit=%E8%A9%B3%E7%B4%B0%E6%A4%9C%E7%B4%A2(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%90%8D)&keyword=%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%A4%E3%82%AF
どくだみ茶の効能・効果(1)デトックス効果
どくだみ茶に期待する効果の1つは「デトックス」でしょう。老廃物を体内から排出して、健康状態を保ちたい方という方に愛飲者が多いようです。
どくだみには、体液のバランスを調整し、余分な塩分を排出し調節する機能があるカリウムというミネラルが含まれています。
現代人は、塩分の過剰摂取、またカリウム不足によって不調を感じる人が多いといわれています。体内の余分な水分や老廃物を排出し、むくみの解消を手助けしてくれるカリウム効果が、デトックスにつながるでしょう。
どくだみ茶の効能・効果(2)炎症を抑制する効果
江戸時代より、解毒効果があるとして知られているどくだみの効果は、炎症反応の抑制にも用いられてきました。
濃い緑色をした葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)は、植物が光合成によって太陽の光エネルギーを変換し、二酸化炭素から酸素を生成しながら体内に必要な養分を創り出す働きをします。どくだみに抗炎症作用と血液正常化作用があるのは、このクロロフィルが人間の体でも同じようにスムーズに酸化還元を行うことから、代謝を上げながら体の異常を正常に戻す働きをするためです。
どくだみ茶の効能・効果(3)動脈硬化の予防効果
どくだみは、”茶剤として高血圧や動脈硬化症の予防薬にもされる” (※3)生薬です。
前述したように、カリウムによって血中の老廃物をスムーズに排出する働きと合わせて、毛細血管を強くする成分が含まれています。そのため、血管を健やかに保ち動脈硬化を予防する効果が得られるのです。
※3 長岡市医師会. “長岡市医師会.” どくだみ, http://www.nagaoka-med.or.jp/yakusou/dokudami.htm. Accessed 17 May 2023
どくだみ茶の効能・効果(4)肩こり・冷え性改善
どくだみには、血流を促進する効果があるとされています。体温維持には、
スムーズな血流と血管の状態が良いことが条件。血液のバランスを良好に保ち、毛細血管を強くするどくだみの成分効果によって、冷えを改善に役立ちます。な不調を引き起こすと考えられています。
どくだみ茶は、血液の滞りや局所的な血流停滞によって痛みを感じるような、肩こりや首こりの改善にも一役買ってくれるのです。
どくだみの成分とメリット
どくだみ茶=健康に良い というイメージはあっても、何がどのようにいいのかいまいちよくわからない、という方に、どくだみに含まれる成分と効能についてご紹介します。
ケルセチン
ケルセチンとは、ポリフェノールの一種です。主に、たまねぎに多く含まれているとされています。ポリフェノールは植物の渋みや苦み、色素成分で、どくだみにもこのケルセチンが含まれています。ポリフェノールには、動脈硬化や抗酸化作用があるといわれています。
ポリフェノールは短時間で作用しますが、効果は持続せず摂取から3~4時間で消えてしまうので、お茶など定期的に飲むといった習慣にすると、効果が得られやすいようです。
デカノイルアセトアルデヒド
どくだみが持っている。この成分には殺菌作用があり、(塗布など)外用として治療の目的で処方されます。
また、「火にあぶって腫物や化膿部分に塗ると治る」といった、おばあちゃんの知恵袋のような使われ方も、生薬のデカノイルアセトアルデヒド効果によるものです。しかしこの特有の臭い成分は、乾燥させると消失してしまいます。乾燥・焙煎して販売するどくだみ茶には、基本的にこの成分は含まれていません。(※4)
※4参考:神戸薬科大学 薬用植物園レター 2021年5月17日発行(Vol.12) 『Vol.12に寄せて』
クエルシトリン
前述したケルセチンというポリフェノールと、天然に存在している糖の一種ラムノースが結合したフラボノイドの一種です。どくだみには、クエルシトリンのほか4種類のフラボノイドが含まれています。
この成分にも炎症反応の抑制効果があり、代表的な例では胃壁の修復、毛細血管の強化と血圧安定化があげられます。クエルシトリンは葉部分に多く存在し、乾燥させても失われないので、どくだみ茶で摂取するのが効果的でしょう。
ビタミン類
どくだみが持つビタミン類は、ビタミンB2、ナイアシン、パンテトン酸、ビタミンK。健とナイアシンは、糖質・タンパク質・資質の代謝、エネルギー産出にかかわる酸化還元酵素の補酵素として体内で働きます。
ビタミンB2は水溶性なので、お茶にして摂取することができます。
ミネラル類
どくだみに含まれるミネラル類は、カリウム・カルシウム・マグネシウム・鉄分・亜鉛・マンガン。現代人に不足しがちな成分がズラリと並んでいますね。
食事の栄養バランスをしっかり整えることが前提ですが、健康的なミネラル類を補うと良いでしょう。
どくだみ茶の選び方
春から夏にかけて、ものすごいスピードで生育するどくだみの近くを歩くと、まるで違う空間に来たかと思うほど周囲の臭いが一気に変わります。この臭いの印象が強いせいか、どくだみ茶=くさいと思っている方も多いようです。
しかし、市販されているどくだみ茶は、乾燥・焙煎することで臭いがほぼ残っていません。成分を効果的に摂取できるよう工夫されているどくだみ茶もあるので、好みや用途にあわせて、どくだみ茶を上手に選びましょう。ただし、「お茶」ですので、即効性を求めたり、たくさん飲んで摂取量を上げるといったことは控えましょう。効果を実感できるように、習慣的に飲むことが大切です。
・味
市販されるどくだみ茶はそのほとんどが乾燥茶タイプのもの。茶葉そのものの香りは、生のどくだみよりずっと抑えられます。しかし、(感覚によるものなので何ともいえませんが)お茶で飲む時に感じる苦みは否めません。
大別すると、どくだみ100%の商品と、他の茶葉とどくだみをブレンドしたどくだみブレンド茶がありますので、どうしても苦みが我慢できない方は、ブレンド茶から始めてみるのもいいかもしれません。
・品質
どくだみ茶葉の流通量でいえば、中国をはじめ海外からの輸入資材が圧倒的に多いようです。どくだみは、生育する条件(主に日照時間)によって含有成分量が変わるという研究(※5)もあります。どのように育って製茶されたのかが不明なものよりも、しっかりとした管理のもとで育てられた国産茶の方が、不安なく飲み続けられるでしょう。
見た目のポイントとしては、緑色(ポリフェノール色素)が多く残っている乾燥茶がオススメです。
※5参考:徳島県立保健製薬環境センター 年報No.10 13・19(2020年)
『ドクダミ茶の有効成分分析と製茶法の検討』15、18P
(徳島県立保健製薬環境センター 小原佑介・高源裕子・吉田理恵・堀見朋代)
どくだみ茶の美味しい飲み方
「とにかく苦いのがイヤ!でも続けたい」「苦いお茶が好き!栄養素もガッチリ取り入れたい」いろんな方がいらっしゃるでしょうが、どくだみ茶の淹れ方や選び方次第で飲みやすいお茶になります。
美味しいどくだみ茶の作り方
茶葉を計量して淹れるタイプの入れ方
・1Lの熱湯に対して茶葉5~10gほどを入れる
・5~10分煮沸します。
販売されているどくだみ茶のパッケージにも「美味しい淹れ方」等記載がありますので、基本的にはそちらを参照いただければ間違いありません。
ティーバックの個包装タイプのものであれば、熱湯に5分程度浸すと十分な栄養素を抽出できます。
※濃さはお好みに合わせて蒸らす時間を変えてください。
※熱い時期は、冷やしてアイスティにしたり、水筒に入れて飲むのオススメです。
※ほうじ茶、麦茶などとブレンドしても美味しく飲めます。
どくだみ茶は自分で作れる?
夏が近づくと、道端やあぜ道のいたるところでどくだみの葉を目にします。これほど身近なところにあるなら「自分でどくだみ茶を作ればお得!」と思う方もいるでしょうね。
実際に、どくだみを収穫して自家製どくだみ茶を作っている人もいます。しかし、葉をカラカラに乾燥させるためには日照管理が必要ですし、茶葉が半乾きではカビが生えてしまいます。また、しっかりと乾燥させたつもりでも、室内にいれると湿気をふくんで湿ってきます。衛生管理が難しく、手間もかかることがおわかりでしょう。
市販されているどくだみ茶は、製造工程管理されている上、焙煎方法など製法にもこだわりを持って作られています。健康を意識しながら飲み続けるには、安心して毎日美味しく飲める、そして手軽に淹れられる市販のお茶を生活に取り入れるのが吉です。
どくだみ茶を飲む最適なタイミング
どくだみ茶は、緑茶やコーヒーなどを飲むのと同じように、のどが渇いたときの水分補給や、食事のお供など、いつでも好きなタイミングで飲めます。
摂取効果が数時間と短い含有成分もありますので、定期的に飲用するのがおススメです。
ただ、どくだみ茶には利尿作用があるため、就寝直前に飲用するのは控えたほうがよさそうです。
どくだみ茶はこんな人にもオススメ!
普段飲んでいる嗜好飲料を、ミネラルやビタミン類を多く含んでいるどくだみ茶におき変えれば、ふと「なんだか最近調子いいかも」を実感する回数が増えるかもしれませんよ。
どくだみ茶がオススメのケース(1)デスクワークが多い方
仕事で座りっぱなしのデスクワーカーや立ち仕事が長い方は、同じ姿勢で過ごす時間が長くなってしまうため、どうしても血流が悪くなってしまいます。血流が滞ると、仕事後に感じる体のこわばりや固まり、足のむくみが起こりやすくなります。
休憩の合間やランチタイムには、肩を回したり足踏みをして軽く筋肉を刺激し、どくだみ茶で水分補給しましょう。
どくだみ茶がオススメのケース(2)肌年齢感が気になる方
ポリフェノールがお肌に良いということは、もはや一般常識のようなレベルで広く浸透しています。どくだみエキスの抗酸化作用と、代謝促進効果によってシミ予防が期待されます。また、肌荒れや化膿の原因となる黄色ブドウ球菌や、発疹かゆみなどの肌トラブルを引き起こす糸状菌に対する抗菌作用を持ちつつ、表皮ブドウ球菌(美肌菌)を優位にします。利尿・便通改善とあわせて、体の内側から肌を美しくしてくれることを期待しましょう。
どくだみ茶がオススメのケース(3)毎日元気に過ごしたい方
誰もがきっと「今日も調子がいいぞ」と感じる毎日を過ごしたいですよね。なんだか体が重い・胃腸の調子が良くない・仕事を頑張った後に体調を壊しがち…のようなルーティーンが続く時には、免疫代謝機能が落ちているかもしれません。
いつも元気に、ハツラツとした日々を送るために、免疫力と代謝力アップの一助となるどくだみの成分を継続して取り入れましょう。
どくだみ茶は副作用はある?
健康にいいことづくめのようなどくだみ茶ですが、効能に着目するあまり、過剰に摂取するのは控えましょう。何ごとも過ぎるのはよくありません。また、飲む人の健康状態や既往歴によって、どくだみ茶に含まれる成分が禁忌にあたることもあります。ここで、どくだみ茶の副作用について触れますが、持病がある方や体に変調があった場合は、必ず医師にご相談ください。
どくだみ茶Q&A
-
どくだみ茶を飲むタイミングはある?
- どくだみ茶には、健康維持に効果が期待できる成分が多く含まれていますが、あくまでもお茶ですので、通常の水分補給や飲みたいタイミングで飲んでいただけます。
-
どくだみは毒を持っていますか?たくさん飲んでもいいの?
-
どくだみ特有の臭いもあり、また「どく=毒」と読まれて有毒と思っている方も少なくないようですが、どくだみは無毒です。
どくだみ茶は飲み過ぎると腹痛(下痢)、頻尿を起こしやすくなります。また、カリウム塩を含有しているので、腎臓に疾患がある方は特に注意が必要です。高カリウム血症を起こす可能性があり、しびれや筋力・血圧低下、不整脈が現れる場合があります。飲用前に必ず医師へご相談ください。
お食事のおともに、ぜひどくだみ茶を。
毎日飲むものを、どくだみ茶に置きかえて。少しでも健康にいいものを毎日続ける習慣づくりに、どくだみ茶をお役立てください!
≪参考資料≫
徳島県 徳島県立保健製薬環境センター 年報No.10 13・19(2020年)
『ドクダミ茶の有効成分分析と製茶法の検討』
(徳島県立保健製薬環境センター 小原佑介・高源裕子・吉田理恵・堀見朋代)
国立情報学研究所 福岡県立大学看護学研究紀要 19,25-33 (2022年)
『ドクダミの殺菌・抗菌効果の解析』 (芋川浩・山井ゆり)
神戸薬科大学 薬用植物園レター 2021年5月17日発行(Vol.12) 『Vol.12に寄せて』
https://www.kobepharma-u.ac.jp/botanical-gardens/news/docs/2021-5-letter.pdf
≪参考サイト≫
株式会社OEM 化粧品OEMラボ『どくだみの成分を徹底解説!肌への期待効果・取り入れ方・注意点も詳しく紹介』
https://oem-cosmetic.com/blog/houttuynia
厚生労働省 第十八改正日本薬局方名称データベース 検索結果|キーワード ジュウヤク
https://jpdb.nihs.go.jp/jp/DetailList_ja.aspx?submit=%E8%A9%B3%E7%B4%B0%E6%A4%9C%E7%B4%A2(%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E5%90%8D)&keyword=%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%83%A4%E3%82%AF
厚生労働省:e-ヘルスネット|カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
富士エス・エル・アイクロロフィル事業部:公式サイト|クロロフィルについて
https://chlo-ken.jp/chlorophyl/about/
一般社団法人日本東洋医学会:公式サイト|漢方の診療1-5基本理念 血および血の異常
http://www.jsom.or.jp/universally/examination/ketu.html
東洋大学 LINK@TOYO「今こそ身につけたい”教養”。大人のためのWEBマガジン」|『ポリフェノール』とは?医学博士に効く、体にもたらす効果と正しい摂取方法
https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/life/polyphenol/
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