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グリーンルイボスティーってどんな飲みもの?気になる効果・効能を徹底解説!
美容と健康のために、日々の食事にも気を配る方から注目を集めているルイボスティー。
ノンカフェインである上に、身体に嬉しい栄養素が豊富に含まれると話題ですが、ルイボスティーの中でも特に希少な「グリーンルイボスティー」というお茶をご存じでしょうか?
グリーンルイボスティーは、一般的なルイボスティーと比べて流通量が極めて少なく、まだあまり広く認知されていません。しかし一般的なルイボスティーよりも栄養素が豊富に含まれることから、徐々に人気が高まりつつあるお茶です。
今回は便秘やむくみの改善など、女性に嬉しい効能も多いグリーンルイボスティーについて、詳しく解説します。
ルイボスティーとは
ルイボスティーとグリーンルイボスティーは、どちらも同じ「ルイボス」という低木から作られるお茶です。
ルイボスは南アフリカに自生する、マメ科の低木。松のような形の葉から抽出するお茶は、現地の先住民の間で「奇跡のお茶」と呼ばれ、古くから親しまれてきました。
ルイボスの産地は、南アフリカ共和国のセダルバーグ山脈。
昼間の寒暖差が30℃以上あり、強い日差しにもさらされる過酷な環境ですが、ルイボスの栽培にはこの環境が欠かせません。
20世紀初頭にヨーロッパに紹介されて以来、南アフリカ共和国はルイボスティーの一大産地として、世界へ向けた輸出を続けています。
ルイボスティーとグリーンルイボスティーの違い
同じ「ルイボス」という低木から作られる、ルイボスティーとグリーンルイボスティー。
2つのお茶について、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
製造方法
ルイボスティーとグリーンルイボスティーの大きな違いは、製造過程で発酵させているかどうかです。
収穫後、自然発酵した茶葉を乾燥させたものが、一般的なルイボスティー。
グリーンルイボスティーは発酵を防ぐために、収穫した葉を急速乾燥させて作ります。一般的なルイボスティーと比べて、グリーンルイボスティーの流通量が少なく希少とされるのは、この製造過程によるものです。
グリーンルイボスティーは発酵で失われやすい栄養素も多く保たれ、特にフラボノイドというポリフェノールの一種は、一般的なルイボスティーの約10倍も含まれています。
ポリフェノールの抽出量
ルイボスティーに含まれる代表的な栄養素の1つが、ポリフェノール。
ポリフェノールとは多くの植物に含まれる、苦みや色素の成分のこと。抗酸化作用により体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化抑止が期待できます
一般的なルイボスティーと比較して、グリーンルイボスティーはお茶として煮出したときのポリフェノールの抽出量が高いです。また高い温度で煮出しても、ポリフェノール抽出量への影響が少ないのも特徴的。忙しいときにもお湯を使って手軽に抽出できるので、日常に取り入れやすいお茶です。
引用文献:日本食品科学工学会誌 第68巻 第2号 村上永澤『発酵及び非発酵ルイボスティーの抽出条件がポリフェノール含有量および抗酸化活性へ及ぼす影響』
味や色合い
一般的なルイボスティーは、発酵の過程で茶葉が赤茶色に変化します。煮出したお茶も鮮やかな赤茶色になり、ルイボスが現地で「赤い灌木」とも呼ばれる由来となっています。
発酵させないグリーンルイボスティーの茶葉は、その名の通り緑色です。
ルイボスティーはもともと癖も少なく飲みやすいですが、自然発酵させているため独特の香りがあり、好みがわかれるお茶でもあります。
一方、茶葉を発酵させていないグリーンルイボスティーは、香りがマイルドに抑えられ、さらに癖のないすっきりとした味わいが楽しめます。
グリーンルイボスティーの飲み口は、苦みや渋みも少なめでさっぱりとしており、ホットやアイスなど好みに合わせやすいお茶です。
グリーンルイボスティーの希少性の高さ
一般的なルイボスティーと比べて、製造に手間がかかるグリーンルイボスティーは出荷数が少なく、全体のわずか7%しか出荷されていません。
また、消費者動向に関するルイボスマーケティング社の調査によると、全体の62.6%の人が一般的なルイボスティーを認知していましたが、グリーンルイボスティーを認知していた人はわずか15.0%。
徐々に認知を広めているローズヒップティーの認知度が45.5%、マテ茶の認知度が43.6%なのと比較しても、グリーンルイボスティーがまだ広く出回っていないのがわかります。
参考:ルイボス・マーケティング・リミテッド『TOPICS 02 成長の一途を辿って40周年。世界一となった日本のルイボス | 消費者調査の詳細はこちら(PDF)』
グリーンルイボスティーに含まれる栄養素と効能
グリーンルイボスティーには、美容と健康のために取り入れたい栄養素が多く含まれています。それぞれの効能について、詳しく見ていきましょう。
(1)ポリフェノール
グリーンルイボスティーに含まれる栄養素として代表的なのが、ポリフェノールです。ポリフェノールは植物の色素や苦み・渋みの成分となるもので、ほぼすべての植物に含まれています。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑えるなど、健康維持に欠かせない栄養素の1つです。
(2)マグネシウム
グリーンルイボスティーの栄養素の1つが、ミネラルの一種であるマグネシウム。
マグネシウムには水分を集める働きがあるため、腸内で硬くなった便を柔らかくし、排出しやすくなります。
薬のように即効性はありませんが、グリーンルイボスティーを飲む習慣がつけば自然と水分をとりやすくなるので、毎朝をスッキリと過ごしやすくなるでしょう。
(3)カリウム
グリーンルイボスティーに含まれるカリウムには利尿作用があり、体内のナトリウムを尿と共に排出します。体内にナトリウムが増えると、濃度を薄めるために身体が余分な水分までため込もうとするため、足や顔がむくみやすいです。
グリーンルイボスティーを習慣的に飲めば、カリウムの利尿作用により、むくみの防止が期待できるでしょう。
(4)SOD様酵素
近年の研究により、シミやしわ・そばかすといった肌の老化現象の原因として、呼吸のたびに体内に発生する「活性酸素」が深く関わっていることがわかってきました。活性酸素を除去する働きがあると注目されているのが、SOD(スーパー・オキサイド・ディスムスターゼ)酵素。
SOD様酵素とは、SOD酵素と同様の働きをする成分のことで、グリーンルイボスティーにはこのSOD様酵素が含まれます。SOD様酵素の働きで活性酸素を除去し、肌の状態を保ちやすくなるでしょう。
(5)アスパラチン
アスパラチンはポリフェノールの一種で、ルイボスにのみ含まれる成分です。
アスパラチンの抗酸化作用は他のポリフェノールよりも強力で、体内の活性酸素を除去する働きがあります。
特徴的なのが、アスパラチンがもつ骨格筋が血糖を吸収するのを促す働きです。体内で余った糖によりタンパク質の機能が低下するのを防ぐため、肌のしわ・たるみや、くすみの予防も期待できます。
さらにグリーンルイボスティーに含まれるアスパラチンは、一般的なルイボスティーの約40倍!ルイボスのもつ効能を意識して飲むなら、グリーンルイボスティーがおすすめです。
参考文献:Food chemistry 123(2010)679-683
Unfermented and fermented rooibos teas(Aspalathus Linearis)increase plasma total antioxidant capacity in healthy humans
グリーンルイボスティーがオススメなのはこんな人!
美容と健康に嬉しい栄養素の多いグリーンルイボスティーが、どのような方に特におすすめかを紹介します。
妊娠中・授乳中の方
グリーンルイボスティーにはカフェインが含まれないので、妊娠中・授乳中の方にもおすすめです。妊娠中や授乳中は、カフェインを気にしてリラックスタイムの飲みものを制限する方も多いですが、グリーンルイボスティーならその必要がありません。
ただしグリーンルイボスティーに含まれるポリフェノールは、妊娠後期の取り過ぎには注意が必要といわれています。くれぐれも飲みすぎには注意してください。
ゆったりとくつろぎたい方
1日の終わりはゆったりとした気分で、できるだけ穏やかな気持ちで眠りたい―。
そう感じている方にも、グリーンルイボスティーはおすすめです。
グリーンルイボスティーはホットでも美味しく飲めるので、温かい飲みものを楽しみながら爽やかな香りで気分転換もできます。
カフェインを含まないので眠りを妨げにくく、ゆったりとくつろぎたい夕食後のリラックスタイムにも最適です。
ダイエット中の方
グリーンルイボスティーに含まれるマグネシウムには、スムーズな排便を促す作用が期待できます。ノンカロリーなので、ダイエット中の方にも嬉しい飲みものです。
さらにグリーンルイボスティーに含まれるカリウムには利尿作用があり、むくみの解消が期待できます。
「水太り」という言葉があるように、むくみは余分な脂肪や老廃物を体内に留めるため、体重が落ちにくくなる原因といわれています。むくみを解消して見た目をスッキリとさせたい方にも、グリーンルイボスティーはおすすめです。
安全で選ぶなら有機グリーンルイボスティーがオススメ
有機栽培とオーガニックの違い
日常的に飲むお茶の安全性が気になる方には、有機グリーンルイボスティーがおすすめ。
有機栽培で育てた有機グリーンルイボスティーならではの魅力をご存じでしょうか?
有機栽培とオーガニックは一見別物のように感じられますが、「有機」を英語で記すと「オーガニック(Organic)」となり、実は同じ意味です。
有機栽培とは化学肥料や農薬を使用せず、できるかぎり環境への負荷を軽減させた農法のこと。農林水産省は、有機農業の定義を以下のように定めています。
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農林水産省では、栽培ルールに適していると認められた有機農作物に「有機JASマーク」を付与しています。有機JASマークの表示には登録認証機関による検査が必要で、検査にクリアした事業者だけが、有機JASマークの表示が可能です。
認証されていない事業者が、有機JASマークを貼り付けるのは法律で禁止されており、「有機」や「オーガニック」をはじめ、その他の紛らわしい表示もできません。
有機JAS法に基づいて作られた製品かどうかは、毎日口にするものにこだわりたい方にとって、食品を選ぶ際の基準になるでしょう。
有機栽培のグリーンルイボスティーのメリット
有機栽培のルイボスティーを選ぶメリットは、次の2つです。
- 環境に優しく、持続可能な社会への貢献ができる
- 農薬や化学肥料を気にせず選べる
有機栽培は、原則として農薬や化学肥料を使用していません。
農林水産省では、有機栽培・有機農法は「可能なかぎり生態系に配慮した栽培法」であるとし、土壌環境や生物の多様性を守るなど、農業を通して生態系を守ることにつながると述べています。
従来型の農薬や化学肥料を使用した農法を「慣行栽培」と呼びますが、有機農業の水田は慣行栽培の水田と比較して、生物の多様性に富んでいるとの研究データも発表されました。
環境に配慮した有機栽培のルイボスティーは、農薬や化学肥料が気になる方にも選びやすいといえるでしょう。
参考:農研機構『プレスリリース(研究成果)有機・農薬節減栽培と生物多様性の関係を解明』
グリーンルイボスティーの気になる副作用
グリーンルイボスティーには、現在副作用として報告されているものはありません。
ただし体質や飲む頻度により、身体に影響が出やすいといわれているものはあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
お腹がゆるくなりやすい?
グリーンルイボスティーには、腸内の水分を集める働きをもつマグネシウムが含まれるため、お腹がゆるくなりやすいと感じる人もいます。
また意識してお茶を飲めば自然と摂取する水分量も増えますので、体質によってはお腹がゆるくなることもあるでしょう。
グリーンルイボスティーはあくまで飲みものですので、多く飲んだからといってメリットが多くなるものではありません。1日2〜3杯を目安に、適量を心がけましょう。
身体が冷えやすい?
口当たりのよいグリーンルイボスティーは、ホットでもアイスでも美味しく飲めるお茶です。冷たく冷やしたグリーンルイボスティーを多く飲めば、身体が冷えやすいと感じることもあるでしょう。
身体の冷えが気になる方は、グリーンルイボスティーをホットで飲むのがおすすめです。
グリーンルイボスティーQ&A
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グリーンルイボスティーはいつ飲むのがおすすめですか?
- グリーンルイボスティーは日常的に飲めるお茶ですので、いつでも好きなときに楽しんでいただけます。
ノンカフェインで爽やかな香りのお茶ですので、仕事の合間に一息つきたいときや、夕食後のリラックスタイムにもおすすめです。
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グリーンルイボスティーは子どもでも飲めますか?
- グリーンルイボスティーにはカフェインが含まれていませんので、お子さまにも飲んでいただけます。
苦みも少なく飲みやすいので、ご家族みなさまで楽しんでいただけるお茶です。
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グリーンルイボスティーは妊活に効果があるって本当ですか?
- ノンカフェインで栄養豊富なルイボスティーは、妊活中の方にも人気があります。
しかしながら、ルイボスティーやグリーンルイボスティーが妊活に効果があるという、学術的な研究結果は発表されていません。
グリーンルイボスティーに限らず、あたたかい飲みものは身体の冷えを予防すると考えられています。ノンカフェインで栄養豊富なグリーンルイボスティーは、日常的な飲みものとしてもおすすめです。
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グリーンルイボスティーは白髪にも効果はありますか?
- グリーンルイボスティーやルイボスティーは、白髪や抜け毛の予防が期待できるといわれています。これはルイボスティーに含まれるフラボノイドというポリフェノールの一種や、亜鉛・鉄といったミネラルの効能が期待されるためです。
とはいえ、いずれも即効性や確実性があるものではありません。生活習慣として楽しみながら取り入れてみてください。
日常のひとときに、ぜひグリーンルイボスティーを
グリーンルイボスティーは、便秘やむくみの解消を促す栄養素だけでなく、身体の老化につながる活性酸素を除去するポリフェノールも豊富に含まれます。
さらに爽やかな飲み口でホットでもアイスでも楽しみやすく、ノンカフェインなので飲む時間も選びません。
日常のひとときに、美容にも健康にも嬉しいグリーンルイボスティーを、ぜひお試しください。
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